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2008年9月 1日 (月)

CO2:森林吸収源対策事業を行いました

今回はマジメな内容です・・・・
■ 「森林吸収源」という言葉を知っていますか?

政府広報のページで、たまたま今日公開された項目があります。このページを読むと分かりやすく説明されています。
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200809/3.html

・・・・上の政府広報のページ、読みましたか?

読んでもらったところで、・・・・さて、林業家にとっては、間伐を行なうことによって枝や幹の肥大成長のスピードが格段に早くなることは常識であって、間伐が山林のCO2固定化スピードアップにつながることは実感として理解できます。

京都議定書の枠組みの中で、日本は「森林吸収源」というCO2吸収のカウントができる枠を持っています。実は、「森林吸収源」の成立経緯が政治駆け引きの結果であったという点から、懐疑的な見方もあります。・・・この件についてはネットや温暖化対策問題の書籍を参照してみてください。

日本は1990年比でCO2排出量をマイナス6パーセントとする約束をしていますが、そのうちの3.8パーセントについては山林の整備 (つまり人為的な間伐作業などを行なってCO2吸収能力をブーストアップさせること) によって、CO2排出を削減したというカウントをする計画です。つまり、国際公約では6パーセントのマイナスを約束したのですが、外交駆け引きの結果、3.8%に相当する「森林吸収源」の枠を、日本だけ特例として認めてもらったために、実際に排出量を削減するのは、6% - 3.8% = 2.2% ということになります。6%も削減しなければならなかったのが、たったの2.2%でOKになったというわけです。

日本の排出セクターである産業界は「ヤレヤレ、これで骨抜きにしてやったぜ」、という所でしょうが、CO2削減原理主義者は、「けしからん!」と感じると思います。
3.8%の「森林吸収源」は、CO2吸収をしたとカウントできる上限の枠であって、今後実際に山林にアクションを行なってCO2固定パワーのブーストアップを進めなければその枠は「宝の持ち腐れ」となります。
ところで、山林所有者は、これら「森林吸収源」のオーナーとして金銭的な支払いを受けるという権利は全く持っていません。CO2排出権が取引されているのとは対照的です。森林所有者=CO2吸収セクターは、タダで吸収源としての価値を召し上げられたということです。

排出セクターから山林所有者に、直接的に金銭が入るということはなくなったのですが、森林吸収源を発揮させることは、国際公約を果たすための、いわば国策となりました。そんな経緯で、現在山林に対しては間伐促進のためのインセンティブがじわりじわりと増加しています。これは補助金という形で実際に山林に到達しています。

■今回、「薪クラブ」を運営する石谷林業(株)は、地元の智頭林業研究会が主催する、『石谷高齢級山林における低コスト鳥取式作業道開設公開研修会』に共催者として参加しました。
会場となったのは、石谷林業社有林のうち、樹齢100年の杉が、100ヘクタール植わっている山林でした。
この研修会は、8月29・30日の2日間にわたっての開催で、吸収源対策事業の一環として開催されました。テーマは、間伐を行なう際の原木搬出路開設を低コストで行なうノウハウの研修会です。

私、JIN ISHIDAも、手伝いに来てよ、とのお誘いに従って、講習会のお手伝いをしつつブログネタ探しとして研修会に参加しました。森林吸収源の実地勉強ができて良い経験となりました。
(極めて専門性の高い内容の講習会でした。林業に関する用語に詳しくない私JIN ISHIDAは、石谷林業の山林部の人に解説してもらいながらの受講でした)

■一部参加者の間で話題になっていたのは、木材製品についての京都議定書でのルールについてでした。
今、間伐を行なって、立木を伐倒し山から搬出すると、その瞬間にその木材は燃焼したとカウントされるのだそうです。
このカウント方法を、IPCCデフォルト法と言います。国際会議でのルールです。このルールがある限りは木材の利用は『悪』ということに定義づけられます
本来、間伐した木材を長期にわたって燃焼させることなく大気圏の系から隔離することは『善』であるはずです。木材製品は他のマテリアルに比べて製造エネルギーが格段に低いので、木材製品をどんどん採用して、永く使うということはCO2固定化に有効なはずです。
幸い、2009年12月には、木材製品のカウント方法の見直しのチャンスがあるそうです。この見直しは第2約束期間のルール作りです。日本の木材・森林は、このカウント方法次第で生きもし、死にもします。
日本国として、カウント方法の見直しを主張することは重要だと思います、CO2削減のためにも、日本の山林に日光が入り、CO2吸収の能力をバリバリ発揮するためにも、日本の首相官邸に頑張ってもらいたいと思います。IPCCデフォルト法以外のカウント方法にはにいくつかのバリエーションがあり、日本としてどの方法を採用してもらいたいのかの決定をする必要があります。この期限が、国際会議へのスケジュール(1年前には態度を決める必要がある)から逆算すると2008年11月までということです。

今後の木材・森林に対する取扱が、天と地ほどの差が生じるこんな重要なことが、今決められようとしているのに、木材・森林や環境に関係する人々は不思議なほど無関心です。
マスコミにもこの話題が出るのを見たことがありません。ネットで検索をすると、この問題についてのコアな関係者の論文がいくつかヒットする程度です。

伐採木材製品(HWP=ハーベスト・ウッド・プロダクツ)のカウント方法、専門用語ではそう呼びます。

・・・この問題については、ページを改めてもっと詳しく解説したいと思います。

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今回行なった、研修会の紹介

↓日本海新聞9月1日記事

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↓高知県四万十町から、講師の武政さんにお出でいただきました。
武政さんは、鳥取県が勧める「鳥取式作業道」の専任講師です。

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↓道の全く無い山林地に、路網を開設していきます。道が崩れないような作業ノウハウが必要になります。
Lecture02

車両を使って実際に作業道を開設していきます
Demonstration

2日間の研修ごお疲れ様です。
Gettogether

(文と写真:JIN ISHIDA)

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