薪を使うとどれだけCO2排出削減できるのか?
「薪クラブ」では、薪ストーブユーザーがどの程度エコライフをしているのか、ということを数値化しようとトライしました。
・・・・薪ストーブを使うとき、なんとなく、エコライフをやっているという感覚をお持ちでしょう。実際のところ、どの程度エコライフなのでしょうか?
今日ご紹介するのは、薪の配送によって排出されてしまうCO2の量と、灯油を使わないでカーボンニュートラルな薪を使うことによって、CO2排出削減する量の差引数値です。
「薪クラブ」の場合、冬季最も多い注文は、約500キロの薪を「アローボックス」に積載してお客様のお宅まで輸送する形態です。「薪クラブ」から運送会社のトラックに積載された後は、「トラックの積み合わせ貨物輸送」という方式です。下記に示すモデルケースではトラックは11,000kgの車輌を想定しています。
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モデルケースの説明:
①大阪のお客様への配送では・・・アローボックス満載(500キロ)の薪を送るには5リットルの軽油がかかります。5リットルの軽油が燃えると12kgのCO2が排出されます。
500キロの薪を燃やすと、概ね750kgのCO2を排出します(薪重量の半分が炭素質量とし、炭素が二酸化炭素になる際に3倍の質量になるとしました。実際は多少違います)。薪を燃やして発生するCO2は、化石燃料から出るCO2と違いありませんが、木質バイオマス由来のカーボンニュートラルな排出です。短期間での再生可能なエネルギーです。本来なら750kg分のCO2の排出を、再生不可能な化石燃料を燃やすことで排出していたところを、カーボンニュートラルなエネルギー使用に代替したということです(実際には、灯油利用の場合は産油国の地中深くから原油を採掘して精製し、手元に届くまでには多くのエネルギーを消耗しているはずですがカウントしていません)。薪として燃やさなかった場合には、いずれ山で腐朽して、ムダに温暖化ガスを排出していたところです。
「薪クラブ」のアローボックス500kgパッケージの薪を使用したことによって、化石燃料をセーブしたことによるCO2排出削減量
=750kg-12kg
=738kg
となります。
②軽井沢のお客様への配送では、
上記と同様に計算すると、
708kg
のCO2排出量の削減となります
このように、灯油ストーブの替わりに、薪=木質バイオマスを使用することによって多くのCO2排出量を削減することが出来ます。もっとも・・・本来灯油を燃やしたとしたなら、という前提があるので、厚着をして寒さを我慢し、灯油も薪も使わない場合は、CO2排出量ゼロとなり、温暖化防止には最も良い行動となります。
【おまけ話】本当のこと
灯油の替わりに薪を利用することは確かにCO2排出量の削減には大きくつながります。それなら、山の木をどんどん伐って燃やせばよいでしょうか?
現在の日本国内の山林の成長量は十分あり、日本国民が現在輸入しているすべての木材を国産材に替えても、成長量の方が多いです。今後は少子化となるので、なおさら大丈夫です。しかし、今後石油の替わりにじゃんじゃん伐採して燃やしてしまえ、ということになると大変なことになります。何事についても、やり過ぎはいけません。
人間社会全体のシステムとして最良の木質マテリアル利用のあり方を考えると、薪のように、バージン木材をいきなり熱利用してしまうというのは最良の方法ではありません。
山から伐採した木材は、先ずはマテリアルとしての利用をすべきです。
マテリアル利用というのは、例えば家具や木造建築などへの利用です。セメントやアルミニウム等の金属を製造する際には、とてつもなく石油エネルギーを燃やします。製造時にCO2排出が多いマテリアルを使わないで、なるべく木質のマテリアルを使うことが大事です。
これからCO2排出を抑えようとすれば、これまで以上に木材製品に囲まれた生活をする必要が有ります。そして木材製品はなるべく永く使用します。
しかし、いずれ木材製品には寿命が訪れます。その際には、ゴミとして捨ててしまうのではなく、再度マテリアル利用することが出来ます。例えば、パーティクルボードという製品があります。パーティクルボードの原料は木造建築物の廃材や、木製の輸送パレットなどです。木質系の廃材を原料として、新たな建材が誕生するのです。
パーティクルボードの環境への貢献については、木材業界のCO2削減について本気で取り組んでいる、日本ノボパン工業の企業ページを見ると良いと思います。われわれ「薪クラブ」の社長の石谷は、このパーティクルボードの社長と古くからのお付き合いがあるらしく、、CO2排出削減については随分と教えられてきたということです。私も、間接的にいろいろなお話を聞いてきました。これから低炭素社会に向かうにあたって、木材の利用方法をよーく考える時期に来ているということを感じます。
要するに、木質製品を他段階にマテリアル使用してマテリアルのライフサイクルを伸ばし、地上に滞留しているカーボン量を多くした上、最後の最後には、大型ボイラーで燃やして、熱源利用、電力供給するというのが正しい姿です。
(Jin Ishida)
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