サンゴ植え付けの様子(http://www.seaseed.com/ から転載)
■世界的にサンゴの大量死滅が進んでいます。沖縄でも同じです。
石谷林業「薪クラブ」は、沖縄の海のサンゴ再生に協力することにしました。
沖縄の海で、養殖サンゴの植栽をしている事業体があります。
「有限会社 海の種」です。
事業体の活動内容については上の会社名をクリックしてください。
この事業体は商品として、サンゴ植栽というプログラムを販売しています。
「薪クラブ」はこのサンゴ植栽プログラムを購入することで、沖縄の海のサンゴ再生に協力します。
薪クラブで販売される薪1束あたり1円程度に相当します。
今後も継続的に支出を行なう予定です。
■サンゴを飼育した感想・・・
実は私、ジンイシダの家には海水の水槽があります。サンゴについて理解しようと思い、2年程前にサンゴを長期飼育できるような機材を購入しました。前回のブログ記事「本松明(ほんたいまつ)=とと松 の販売を開始しました」の画像の背景がその水槽です。
ベルリン式と呼ばれるメソッドを基本とした機材構成です。プロティンスキマーによるタンパク質除去をメインにして、濾材を一切使用しないという方法です。ライブロック(微小生物が密生したサンゴ岩)を大量に入れ、これに新鮮な水流をあてて微生物による分解を促すという方式です。訳分からないでしょうね、すみません。google等で「ベルリン式」って入れて検索してみてください。
機材
①オーバーフロー水槽(上部の鑑賞用のガラスの水槽以外に、下部に水質維持のための隠し水槽をつなげたもの)
②各種コントロールタイマー
③各種ポンプ
④プロティンスキマー(タンパク質成分を水槽外に除去する装置)
⑤メタルハライドランプ(太陽光に近いスペクトル配分を持つライト)
⑥カルシウム他、各種微量元素添加剤
⑦逆浸透膜式純水製造装置
⑧温度管理用具(ヒーター・クーラー)
⑨潮汐再現用のポンプ
⑩水質検査用具
・・・水道業者が行なうような配管工事が必要な、小さなプラントの構築です。完全にオタクの世界です。私?もちろんオタクです。ちなみに、オタク仲間ではこんなハイテク水槽のことをわざとぶっきらぼうに“タンク”って言います。タンク・・・かっこいいでしょ。マイ・タンク・・・。
マイ・タンクは金魚鉢とは大違いです。脊椎というミネラル補給庫を持つ動物と違い、サンゴなどの無脊椎動物は、体内の恒常性を保つための内臓を持たず、外部環境に依存しています。サンゴは最も海水環境に頼り切った進化を遂げた生物で、少しばかりの温度変化にも耐えられません。サンゴが生育できる清浄な水質を維持することは難しいです。水槽のような容量の小さな環境の中では、ちょっとした変化が連鎖的に水質変化を招き、数日で死滅する場合もあります。
専門的な話になりますが、ごめんなさい・・・海水濃度、PH、温度、水流、溶存酸素濃度、CO2濃度、微量元素の溶解の構成の維持、好気性菌と嫌気性菌の連携による窒素循環(有害物質を無毒化するサイクル)の維持など、構成要素(パラメータ)が多いために、環境(水質等)が変化していることを解析すること自体が困難であるため、最適環境を維持することは実に難しい。実は、ヒ~ッ、もうウンザリという感じです。
それでも、2年が経過し、勉強し、カルシウム成分の補充なども行うようになり、ハードコーラルと呼ばれる、石灰岩を生成するサンゴが育つ環境を維持できるようになりました。
これだけサンゴの育つスピードというのは、それはもう、ゆっくりです。サンゴの生体がいかに貴重なものか痛いほど理解できました。
さて、ミドリイシと呼ばれる一般的な造礁サンゴは、飼育維持が最も難しい部類のサンゴとされています。その原因は、極端に清浄な水質と、強い太陽光を必要とするからです。現在の私は、このサンゴを育てるには装置と力量が不足している状態です。強烈なメタルハライドランプを複数点灯し、ライトによる水温上昇を抑えるために海水クーラーを稼動させるという機材構成が必要になります。太陽光線というのは、驚くほどのパワーがあるために、その再現にはかなりの機材が必要です。そして、かなりの電力エネルギー投入。このような太陽光を室内に再現するようなことは…「薪クラブ」的に表現すれば、「アラブの灼熱の砂漠のドームの中に雪を降らせて、その中のログハウスで暖炉に火を灯す」そんな類の行為に思えてきました。
そんなことをするよりも、水中ゴーグルとフィンとシュノーケルを持って海に行くべきと、ようやく気付きました。
自然の偉大さ、そして太陽のパワーの凄まじさを理解した、今日この頃です。
そんな訳で、自然最高!この水槽はもうストップしたいと思っています。
今、世界で問題となっている死滅しているサンゴは、このミドリイシのような、環境に大変敏感なサンゴです。このサンゴが、気絶しそうな歳月をかけてサンゴ礁を築き、サンゴ礁の浅瀬という他に代替の無い環境で生育していたのです。
■環境の変化に敏感なサンゴは、死滅することで警鐘を鳴らしています。
サンゴの生態は複雑で、飼育してみないと本当の理解は出来ないのでは無いかと思います。
サンゴの「白化」という言葉がありますが、この言葉が一般の人の理解を難しくし、現実を伝えるする際のインパクトを弱めていると思います。
「最近は温暖化でサンゴの色が変わっているらしいね、ところで色が白くなっていることがなぜ問題なの?白もきれいだと思う。」と思うのが普通人の感覚でしょう。しかし、水槽でサンゴを飼育すると理解できるのは、白化は死亡と同義ということです。サンゴの命の素(ズーキサンテラという葉緑素を持つ単細胞生物)が抜けた状態が“白化”です。
樹木の場合の、立ち枯れと同じ状態です。立ち枯れした樹木は、わずかに再生する可能性はありますが、大抵の場合二度と芽を吹きません。これと同じです。
樹木という生物のうち、生命を営んでいる部分は、すでに死んだ細胞である丸太の上を覆っている、風船のゴムのように薄いシート状のものです。これが死んだら、樹木という生命体ではなく、“丸太”です。サンゴの白化もこれと同様に、サンゴ岩の表面に生息している生体が死んで石灰質のガレ場になっています。
大変なことが進んでいます。
高々150リットルほどの水槽の環境を維持することが困難なのに、いったん狂いはじめた大規模な地球環境の修復は不可能だと感じています。
■サンゴの知識が無い人に知ってもらいたいこと
サンゴは海洋生物の中でも無脊椎動物という原始的な生物です。クラゲとほぼ同じ生物です。
美しい緑やブルーに輝くサンゴは、光合成の機能を持っています。樹木と同じように光によって二酸化炭素を固定しています。(正確には、サンゴ体内に藻類が同居しており、共生関係を築いていますが、樹木の葉緑素も元来は別の藻類生物の葉緑素を取り込んだものなので、生体全体としての機能を見ると、好日性サンゴは植物だと理解しても良いと思います)
サンゴは海洋の温度や成分に全面的に依存して生きています。そして現在の海水の条件が少しでも変化したら死滅する生物です。海洋の成分や温度変化が無いことが前提の上に存在している生物なのです。
海水温度の変化が激しくなり、一時的に30度以上の状態になったりしただけであっという間に死滅してしまいます。
死滅する際の症状として、まず白化という現象が起こります。白化は、光合成を行なう機能が破壊された状態です。いわば、植物から葉緑素が抜け出した状態です。いずれ死滅します。
■原因と結果の関係について
CO2濃度の上昇とともに気候変動が起きているというのは確実とされています。
気候変動の影響でサンゴが死滅しているのであって、サンゴを植えれば温暖化が収まるという因果関係にはありません。北極海に氷を運搬しても温暖化防止につながらないのと同じです。
とは言え、現在のあまりにも無残な、灰色のガレ場と化した海底をなんとかしたいという思いは万人共通のものだと思います。また、サンゴも光合成の機能を持っている点を考慮に入れると、今人類としてはサンゴの植栽をする必要がある、と考えました。
そんなことで、「薪クラブ」の社会活動としての第一歩、沖縄のサンゴの再生に関わっていきます。
植栽の実行はしばらく後になりますが、植栽の様子などのも今後継続的にご報告します。
(文:ジンイシダ)
-----------------------------------------------
◆薪ストーブ・ペレットストーブ等の燃焼機器および、薪・ペレットなどの燃料ならお任せ下さい。
薪ストーブ・暖炉用の薪を原木市場から製造直販
【薪クラブ】は石谷林業株式会社が運営する原木市場直送の乾燥薪販売の専門店です。木に携わる仕事を長年続けて参りました当社の薪を是非お楽しみください。